どうも、2018年シーズンをドイツブンデスリーガベースボール2部のダルムシュタット・ウィペッツで、プレイヤーコーチとしてプレーしていた大谷です。
ブンデスリーガ野球の1部と2部とソフトボールの公式サイトです。ここで成績などみれます。
http://stats.baseball-softball.de/players/
ブンデスリーガ1部のみのサイト。
https://www.baseball-bundesliga.de/
最初は選手兼コーチと言われていたんですけどね、シーズン途中にそろそろドイツにも慣れただろうから、ナオキ監督やってくれない?と突然言われました。
最初は僕を含めて1軍にはコーチが4人いました。みんな選手兼コーチです。
ただ、1人の選手兼コーチはほとんど来ず、幽霊コーチ。試合に出さないと文句言うんで少し言い合いになったこともありました。
結局ぼくを含めて3人の選手兼コーチでスタメンなどを考えていました。
でも、やはりトップの人物がいないとなかなかうまくチームもまとまらず、練習もダラダラになっていました。
そこで彼らの提案は僕が監督になり、他のコーチはアシスタントコーチになるというものでした。
僕が一番お金をもらっていたし、まぁ引き受ける以外の選択肢はありませんでした。
次の日から練習メニューは僕がすべて考え、試合の時のスタメンを考え、メンバー表をドイツ語で書き、試合前のグランドルールを説明したり、聞いたり。
そして試合後の軽いミーティングを開きます。
正直グランドルールなんてたいして変わったルールがある球場なんてないんです。
でも、彼らは必ずグランドルールを聞いてから試合に臨みます。こんなにグランドルールを熱心に聞くチームは初めて見ました。
本当にドイツ人はルールが好きなんだなと感じました。
あとは練習。週に2回の練習では以前までバッティングと守備の日に分かれていました。
ちょっとバッティングが週に1回しかできないのは少なすぎると思ったので、毎回BP(フリーバッティング)を取り入れました。
1日約2時間しか練習時間がないので、時間が足りませんでしたが。
・ウォームアップ、ストレッチ、キャッチボール
・内外野分かれての守備やシートノックなど。時間を見ながら。
・4つのグループに分かれてフリーバッティング。
・スプリントトレーニング。ピッチャーをつけての盗塁練習。
だいたい毎回こんな感じの練習をしていました。
練習前には、早くきて練習している若手の練習を手伝うのもほぼ毎回していました。
あと、芝刈りもたまに笑
選手兼監督は最初はとても大変でした。
外野手がプレーしながら監督をやるのは正直チームにとってよくないです。
ピッチャーの変え時とか、ウォームアップしろとかなかなか伝えづらいですし、自分が試合に集中できづらい。
選手兼監督は内野手の方が適していると思いますね。ベンチ近いですし。
なので、うちが大量点を取ったら僕は早めにベンチへ下がり、采配に徹し、なるべくみんなに出場機会を与えてあげようと考えていました。
アマチュアチームですからね。
みんな試合に出たいっていう欲がね、かなり強いんです。
ただ、僕がスタメンを考える際は試合に勝つことを第一に考え、実力がある選手、練習にちゃんと来る選手を優先に使っていました。
まぁ、実力のある選手は意識も高いんで毎回練習に来るんですけどね。
練習に来ない選手に限って今日オレスタメン?って聞いてくるんです。
ドイツ人はディベートが好きなんで、年齢に関係なく選手は積極的にいろんなことを聞いてきます。
なんで今日はオレスタメン落ちだったの?ケガを考慮してくれたのかそれとも実力で落ちたの?と。
日本では監督にそんなことを聞く選手はいませんよね?
ちなみに僕は海外でコーチや監督などは今までやったことはありませんでした。
いや、むしろ日本でも監督やコーチの経験はありませんでした。
それなのになぜコーチを引き受けたかって?コーチをやらないと給料がもらえなかったからです。
むしろ選手のみだとうちのチームは外国人選手でも年間のクラブ代を払わないといけないんです。
確か2万円ほどだった気がします。
それほど球団にはお金がないんです。
これはオーストラリアもローカルチームも同様でしたね。
僕は特に将来野球の指導者になりたいという願望はなかったのですが、この時のコーチをした経験は自分にとって良い経験になりました。
ヨーロッパで野球の監督をするなんて経験、滅多にできるもんじゃありませんからね。
ただ、海外で監督となると言葉や文化の壁が立ちはだかり、そしてこっちも彼らの文化や性格を理解しないといけません。
大変ではありましたが、僕の誕生日にはサプライズパーティーをやってくれたりと、とても良いチームメイトに恵まれたのは確かです。
今年も1回ダルムシュタットに遊び行って、久しぶりの再会をしました。
将来野球の指導者を目指している方には是非、海外のチームでコーチをしてみることをオススメします。
必ず、将来に生かせるでしょう。