どうも大谷です。
先日、大船渡の佐々木選手が地区予選決勝で登板しなかったことについて大きな議論をうんでいます。
実際、ケガしてからでは遅いということを、今回書いていこうと思います。
甲子園での投球数ランキングになります。
2006年 早稲田実業・斎藤佑樹(現北海道日本ハム)の948球
1997年 平安・川口知哉(元オリックス)の820球
2014年 三重・今井重太郎 (中部大学)の814球
2010年 興南・島袋洋奨(現ソフトバンク)の783球
2013年 済美・安楽智大(現楽天)の772球(選抜)
2018年夏の甲子園で投げた吉田輝星投手は
甲子園6試合で881球は歴代2位。秋田県大会5試合を入れた計11試合で1517球。
甲子園の時期になると、毎年球数制限が議論になる近年でさえ、吉田選手のこの球数はちょっと異常としか言えないでしょう。
ただ、秋田県民は大喜び、そして金足農業ナインは秋田のスーパーヒーロー。
でも、吉田選手は秋田だけでなく世界でスターになれる可能性があります。
秋田県民のみなさんも吉田選手の世界の舞台での活躍を長く見ていきたいことでしょう。
幸い、吉田選手は大きなケガをしていませんが、それはたまたましなかっただけで、あれだけの球数を短期間で投げれば、壊れた可能性は十分にありました。
壊れる可能性なんてほんの数パーセントだろという人もいるかもしれません。
でも、実際に壊れた好投手もいました。
今からだいぶ昔の1991年の夏の甲子園で、準優勝した沖縄水産のエース・大野倫(元巨人・ダイエー)です。
大野氏は右ひじ痛をおして773球を甲子園で投げ切りました。
閉会式では右ひじが曲がったままの悲惨な姿でした。
大野氏の右ひじは疲労骨折をしていたのです。
結果、再び彼がマウンドに立つことはありませんでした。
このような出来事をみて、視聴者は高校野球を青春と呼べるのか疑問が湧いてきます。
それでも、彼は抜群の野球センスで野手として巨人に入団。
ただ、残念ながら1軍で目立った成績は残せずに引退。
彼にとっては、あの甲子園で早々に負けていれば違う人生になっていたかもしれません。
もちろん負けていい試合など存在しませんけどね。
でも、最近はドラフト1位候補の投手の高校が甲子園をのがすと、プロのスカウトは一安心というニュース記事をよく見かけます。
スカウトからしたら投げ過ぎが心配ということでしょう。
大野氏が選手を引退してから当時のことをこう語っています。
「当時は、ここ(甲子園)で野球人生が終わってもいいと思って投げていた。しかし、リトルリーグの監督を務める今思うと、後悔もある。
選手が最後までやりたいと言ったら、やはり監督の立場としては出してしまうだろう。だからこそ、ルールで制限が必要」
このルールもなかなか変更されませんね。
急に変化することはないと思うので、少しずつでも変わっていってほしいですが。
大野氏は現在、野球普及のため野球型競技普及事業、野球未来プロジェクトを行っている。
https://yakyumirairyukyu.ti-da.net/
次に紹介する選手も高校時代エースで活躍したものの、肩を酷使したため投手としての道をあきらめた選手である。
元甲子園の優勝投手で、横浜ベイスターズ(現DeNA)で活躍した下窪陽介氏(40)に話を聞いた。
下窪氏は、1996年の第68回選抜高等学校野球大会に鹿児島実業高等学校のエースとして出場し、決勝で智弁和歌山高を破り優勝。
同大会では5試合すべてを1人で投げ抜き、春夏通じて鹿児島県勢初の全国制覇を成し遂げた。
プロのスカウトが注目するほどの力を持っていた下窪氏だったが、その夏の地方大会決勝戦で右肩を剥離骨折。
夏の甲子園出場を決めたものの、大学進学後は高校時代に肩を酷使した影響で右肩を故障して野手に転向。
2006年のドラフトで横浜から指名され、野手として4年間、プロ生活を送った。
下窪氏は当時のことを、そこまで後悔していないように発言しているが、投手としてプロのスカウトが注目していた選手である。
投手としてプロに入っていた可能性も十分にある。
もちろん、たらればの話になってしまいますが。
まとめ
正直、甲子園や地区予選での投げ過ぎで、投手としての道を断たれた選手は数多く存在し、数えきれないのが現実である。
大野氏や下窪氏のように野手としてプロ入りできた選手もいる。
投手としてプロ入りした選手も甲子園での肩の酷使から、プロで思うような成績を残せていない選手も多い。
大野氏の甲子園での投げ過ぎのケガから、もう30年近くが経とうとしているのに球数や連投、登板間隔などの制限は今のところ昔と同じである。
今年の甲子園も、悲惨な姿のヒーローが出ないことを祈るばかりである。
“甲子園で投げ過ぎが原因で潰れていった投手たち。彼らは引退後、当時のことをどう思っているのか?” への1件の返信